『カメラを止めるな』から見る日本映画の良くない点
制作費300万でたった2館の上映からスタートした映画が現在全国200館で上映され、さらに連日満席を記録している。
TOHOシネマズ新宿のスタッフに聞いたところ、400席を超える一番大きいスクリーンが1週間以上満席で『君の名は。』状態だという。
有名な俳優が出ているわけでもなく、役者も製作も全く有名ではない。
ではなぜ、こんなに人気なのであろうか?
面白いからです!
当たり前の事を言いましたが、今の日本ではこれが当たり前じゃなくなってきています
映画の良し悪しは大部分が脚本の良し悪しで決まると思います。『カメラを止めるな』が人気なのは脚本が面白いからというのは間違いない!
ですが面白い脚本を書ける人はもっとたくさんいるはずなのに、日本の映画でここまで面白いと話題になる映画が本当に少ない!少な過ぎる!!
私が思うにその理由は
役者・スタッフ全員が同じ方向を向いていないからだと思います!
どういうことかというと
脚本家が書いた脚本を監督が読んで、何を伝えたい脚本なのかなど理解し、役者やスタッフも読んで理解する。
ハリウッドなどではここで監督と役者が話し合ったりして意識を共有する。
しかし、日本では役者が1つの作品に関わる時間がすごく短く監督と作品について話し合う時間はほぼ無い。
あったとしても、日本の若い役者は映画はみんなで力を合わせて作るという意識が薄く、映画製作に参加させていただいているという意識のために監督との意思疎通を図ろうとしない。
このような状況では作品の方向性がバラバラになってしまい収集がつかなくなり、日本の制作費では撮りなおすことも出来ない。
そして一番問題なのは、製作委員会方式で製作費を分担していることだ!
製作委員会方式とは、リスクを回避するためにいろいろな団体が共同出資すること。
出資者というのは作品に対して意見を言えてしまうんです。
出資者が多いといことはそれだけいろいろな意見を聞かなければならないということ
そして厄介なのがアイドルのような役者が所属する事務所。
事務所NGの演技があったり、かっこよくかわいく撮らなければならなかったり、アップを増やさなければならなかったりと要求は多岐に渡ります。
そんな事をしていたらどんどん映画が崩れていってしまうのは想像できますよね?
これが日本で面白い映画が出来にくい大きな理由ではないかなと思います。
『カメラを止めるな』はそういう影響を殆ど受けなかったから面白い脚本が面白いまま作品になれたのかなと思います。
インディーズ映画も捨てたもんじゃありませんね!!
この映画を機に、役者を映すための映画ではなく、映画の為の役者になる事を願うばかりです。